恋愛というものは、自然に流れていくものでしょうか、それは怠惰な恋愛であり、リスクを背負うものかもしれません。 ただ流れて行けば、性的欲求を解消する手段イコールとして考えてしまうかもしれません。
恋愛は、決してそういうものではないと思いたいです。私達は、敢えて考えて恋愛をする理性的人間です。
恋愛とは何か、果たしてみなさんは、この質問に対して、はっきりと回答をいうこてとが出来るでしょうか。
目次
スタンダールの恋愛論から学ぶ
もう既に、スタンダール(仏:1783-1842)の恋愛論が書かれたのも随分昔のことです。当時、スタンダールの恋愛論は、駄作とも言われていました。しかし、西洋で一番読まれている愛の書は、このスタンダールの恋愛論なのです。
実際に、スタンダールは、理論で語る感じではないので、自分自身の恋愛について語っただけという感じもあり、偏見という意見も多くあります。しかし、いまの人たちが、それでもスタンダールの恋愛論から学ぶことって多くあるのではないでしょうか。
その中には、間違いなく、永遠のテーマも隠されており、私達は、恋愛をするにおいて、永遠のテーマに気付くことが大事です。
スタンダールの恋愛の種類 情熱恋愛
スタンダールは恋愛を、以下のように分類をしています。「情熱恋愛」「趣味恋愛」「肉体的恋愛」「虚栄恋愛」です。
情熱恋愛とは、その名のまま、自分自身の情熱を一身に恋に捧げる恋愛の形です。多くの女性たちは、このような恋愛を求めているのではないでしょうか。しかし、男性は男性として、あまりにも情熱的に、恋愛をする姿勢には滑稽な感じも見てとることができます。
情熱とは、理性を失い、取り乱している光景でもあり、性的要求を露骨にして来るかもしれないため、女性にとって、このような恋愛パターンは、嫌悪すべき形でもあるのです。
情熱ひとつとっても、恋愛の見方は、逆転してしまうので、やはり恋愛は難しいものであり、私達は、もっと勉強もする必要があるのではないでしょうか。
趣味恋愛とは
スタンダールのいう趣味恋愛とはどのようなものなのでしょうか。みなさんの中でも、ドラマチックな恋愛をしたいと思っている人たちがいるかと思いますが、スタンダールのいう、趣味恋愛とは、おそらくそのような恋愛のことでしょう。
スタンダールは、ほんとうの恋よりも繊細さがあるとしていますが、ほんとうの恋というのは、情熱恋愛のことをさしているのでしょう。
情熱恋愛が我々にあらゆる利害を越えさせるのに反し、趣味恋愛はいつもそれと折れ合うことができる方法とし、才知に溢れていると言います。
趣味恋愛を成功させるためには、ルールがあり、情熱に移行しないことです。趣味恋愛に陥り、女性たちは、いつの間にか情熱恋愛も求めたいと願ってしまうものですが、そのようなモチベーションによって恋愛には破局が訪れることになります。
肉体的恋愛とは
スタンダールは、肉体的恋愛に対してどのように言っているのでしょうか。スタンダールは、「猟に行って森に逃げ込む美しい百姓娘を見かけること。この種の快楽に基づいた恋愛を知らない者はいない。どんなに干からびた不幸な性格の男でも、十六歳にもなればここから始めることができる」と言っています。
いかにもスタンダール的表現ですが、 ここには、人間が理性的に考えて起こす恋愛以外に本能的恋愛の余地を考えることができます。 人間たちは、恋愛において、肉体的恋愛を切っても切り離すことができません。
虚栄恋愛とは
最後に、スタンダールのいう虚栄恋愛とはなんなのでしょうか。なかなか難しい言い方をしていますが、虚栄恋愛は、現代社会的に言えば、身なりの整った男性のそばに寄り添い歩くことです。そういえば、おおかた納得出来るという声も聞こえて来ますが、ここで大事なのは、身なりの美しい男性の容姿ということではなく、それを賞賛している第三者の存在がいて、はじめて恋愛は成立すると考えることができます。
客観的に賞賛されることができたから、「ああこの人といて本当に良かったわ……」と、恋愛に対して、熱中することになります。
現代社会においても、最高の恋人同士の関係は、孤独で、孤立した存在ではなく、周囲に見守られ、相対的に育っていくものです。
しかし、肉体的恋愛という存在を切り離すことができないため、虚栄恋愛をまるで情熱恋愛のように見せかけてしまって、情熱恋愛とも誤解されてしまう要素も持っています。 しかし、もしも別れ話など持ちかけられたら、周囲の体裁など考えて自尊心が傷ついたような感じになってしまって、虚栄恋愛は、ほんとうの恋愛とはいうことができません。
スタンダールの恋愛論は、もう既に古いものなので、現代社会に適応しない部分もあるでしょう。しかし普遍的恋愛もあります。スタンダールの恋愛論では、情熱恋愛と言っているようですが、情熱恋愛も時として滑稽ではあるものの、それは、利害を超えた上にある恋愛です。まさに、文豪好みの超ドラマチックな恋愛です。